『silent』 第8話 まとめ&感想

silent第8話

『silent』第8話「伝わらない…一緒にいたくているだけなのに」

春尾と奈々の過去が明らかに!

目次

第8話 あらすじ

ネタバレも含みます。

佐倉想(目黒蓮)は、青羽紬(川口春奈)に声が出せない理由を話す。そして「もう少しだけ待って。聞かせたいことあるから」と話す。

同じ頃、桃野奈々(夏帆)は手話教室で春尾正輝(風間俊介)に8年ぶりに再会する。

紬と想がカフェで手話で話していると、紬のバイト先の後輩が現れる。想は、自分の耳が聞こえないことで、紬に迷惑をかけているのではないかと気にする。

紬は春尾に、想から「一緒にいるの大変でしょ」と言われたことを相談する。春尾は「どうしたらよかったんでしょうね」とため息をついて、学生時代のことを思い出す。

8年前、大学院2年だった春尾は、就職活動を有利にするために、パソコンテイクのボランティアを始めた。そして、その相手だった奈々と知り合う。奈々の笑顔と素直さに惹かれ、奈々と話したい一心で、奈々から手話を教わる。奈々の役に立ちたいと思った春尾は、学内に手話サークルを立ち上げようと、仲間とともに手話の勉強をするが「善意の押し付け」だと奈々に拒絶され、2人は疎遠になってしまった。

後日、奈々が再び手話教室に春尾を訪ねてくる。お互いに近況報告をし、想と紬がうまくいくといいと思っていると告げる。

紬は、父の命日のために、弟・光(板垣李光人)とともに実家に帰省する。
母(森口瑤子)から父が入院していた時の話を聞かされる。紬は、湊斗(鈴鹿央士)と別れたことを報告し、想と会っていること、想の耳が聞こえないことを打ち明けるが、母の意を介さない態度に安堵する。

同じ頃、想の家には妹・萌(桜田ひより)が来ていた。母・律子(篠原涼子)が心配しているので帰って来るように伝えるが、想は「心配されるのが嫌だから帰らないんだよ」と答える。

翌日、紬は母からたくさんの手料理と食べ物を持たされる。帰宅後、紬は想を誘って、母の手料理を振舞う。そして、自分は想と一緒にいたくているだけだと伝える。

想は意を決したように実家へ帰り、母は笑顔で想を迎え入れる。

第8話のコトバ

もう少しだけ待って。聞かせたいことあるから

声で話さない理由を語る想。

声が出せないわけじゃない

自分に聞こえないから誰にも届かない感じがする
自分に聞こえないからすごく怖い

一度声で話すとその先もずっと声で話さないと悪い気がする
聞こえる人は声で聞くほうがラクだってわかるから
それが辛いから
今まで家族の前でしか声出さなかった

そして、「もう少しだけ待って 聞かせたいことあるから」と微笑みます。

きゃ~~!聞かせたいことって何?!

手話で話するの疲れるでしょ?

想の紬への言葉。

ごめんね
一緒にいるの恥ずかしいよね

一緒にいるの大変でしょ
迷惑かけることあるし
手話で話するの疲れるでしょ?

ありがとうって使いまわしていいの?

学生時代、パソコンテイクをしてもらうたびに、ノートに「ありがとうございました」と書いて感謝を伝えていた奈々。
「毎回ありがとうって書いて見せてるの?1つ書いておいて、毎回それを見せたら?」と提案する春尾に対する奈々の言葉。

そして、手話で「ありがとう」と言われた春尾は、
顔を見て話したいと思った。彼女の言う”ありがとう”をそのまま受け取れるようになりたかった」と手話を始める。

きっかけが「ありがとう」なんて素敵~

聞こえるとか聞こえないとか関係ないって思いたいから

学生時代、春尾とうまくいかなかった奈々が、想と紬にはうまくいってほしいと思う理由。

自分は聴者である春尾とうまくいかなかったが、信じたいってことかな。

ただ横にいたいだけっていう自己満足なわけよ

紬と母の会話。

母:ある日突然もういいよって言い出して。会いに来なくていいよって。大変だからって。紬まだ小っちゃいし。お腹に光いて疲れるだろうし来なくていいよって。和泉ちゃんに迷惑かけたくないって。
紬:言いそう お父さん。
母: 言いそうでしょ?ほんとに言われたの。 ぶっちゃけお父さんのために行ってたんじゃないわけよ。
紬:わかる。自分がいたところで何にもならないし。
母:そうそう。何かあってもボタン押したら看護師さん来るし。
紬:何かあってもこっちは何もできないし。いるだけだし。
母:いたくているだけなのにね。
紬:いたくているだけなの。ほんとわかってくれない。
母:伝わんないよね そういうの。
紬:伝わんない。
母:自分が横にいて病気治るならね。そんな能力あったらとりあえずお父さんさっさと治してさ、全国の病院回るよね。
紬:回る。病院 回る。
母:そんな力ないの わかってるわけよ。ただ横にいたいっていうだけの自己満足なわけよ。大変だからって、迷惑かけるからってそれじゃ納得いかないよね。

まっすぐな親子。

言葉じゃ伝えきれないからさ、物に託すの。

「実家から帰るとき荷物増える現象。そろそろ名前欲しいわ」という紬に対する母の言葉。

親の真心。
言葉じゃ伝えきれないからさ、物に託すの。

母役の森口瑤子さん、ステキ。

『やまとなでしこ』の最終回を思い出したよ。

第8話 メモ

春尾に手話を教えたのは奈々だった。

学生時代、パソコンテイクをしたことで知り合った奈々と春尾。

奈々を見つけた春尾が、奈々の背中に向かって「奈々」と声をかけて、奈々が振り返るシーンが素敵。

奈々:びっくりした。ほんとにいた。春尾くんがいる気がしたの。なんだろう。気配?振り向いたらほんとにいたからびっくりした。
春尾:俺もびっくりした。名前呼んだら振り返ったから。聞こえたのかと思った。
奈々:聞こえた。
春尾:えっ。
奈々:春尾くんの声聞こえたから振り向いた。
春尾:気配したって言ったじゃん。
奈々:嘘。 聞こえた。カッコ悪い声だったな。
春尾:じゃあそれ違う人かな。

「聞こえた」ことは否定しない風間ぽん、優しい。

喜ばせたい
役に立ちたい
少しでも生きやすい世の中になってほしい
ただずっとニコニコと笑っててほしい
本気でそう思っていた

そして春尾は学内に手話サークルを立ち上げようとする。しかし、その様子を見た奈々を怒らせてしまう。

奈々:遊び道具みたいにされてて不快だっただけ。あの人たち 手話に興味があるんじゃない。良い人って思われたいだけ
春尾:そんなことないよ。みんな善意でやってることだよ。
奈々:善意は押し付けられたら偽善なの。仕事にしてほしくて手話を教えたんじゃない。
春尾:そんな怒ること?桃野さんのためになると思って。
奈々:いいよね。私といると無条件に良い人って思ってもらえるもんね。ヘラヘラ生きてる聴者からはさ。
春尾:そんなつもりじゃないよ。
奈々:どう受け取るかはこっちが決めることだから。
春尾:めんどくさいな。
奈々:いまめんどくさいって言ったでしょ。
春尾:言ったよ めんどくさいよ。何に怒ってるのかわからないし。こういう道に進むの喜んでもらえると思ったし。
奈々:手話できるんだからしてよ。唇読むの疲れる。
春尾:俺だって疲れるよ。耳聞こえるのにわざわざ手話で話すの。すごく疲れる。

春尾は、好きな人を喜ばせたかっただけなんだよね。。

第1話で春尾が湊斗に言った言葉は、奈々から言われた言葉だった。

第1話で、湊斗から「人が良さそう」と言われた春尾が言ったセリフ
絶対いい人なんだろうなって勝手に思い込むんですよ。ヘラヘラ生きてる聴者の皆さんは」は、
学生時代に、かつて春尾が奈々に言われた言葉だったと判明。

想は、母から心配されることが嫌。

なかなか実家に帰りたがらない想。
その理由を「心配されるのが嫌だから帰らないんだよ」と妹に話す。

感想:一緒にいたいからいるだけ。自己満足という愛?

紬と想のハグの続きから始まった第8話は、情報量が多かったなあ~。
プリンの手話も第8話。
『愛していると言ってくれ』でFAXの手話を覚えましたが、プリンの手話も一生忘れません。

紬の母が登場するということで、いよいよ2人の仲を引き裂く悪役登場か?!なんて思いましたが、とんでもない。紬の母、めっちゃ素敵。「この母にして、この子あり」みたいな親子でしたね。

そして、春尾先生と奈々は学生時代に想い合っていたことも判明。若かったがゆえのすれ違いという感じでしょうか。春尾先生が「奈々」って呼びかけて、奈々が振り返るシーン、よかった~~~。
奈々が、聴者とろう者は分かり合えないと思っている原因が明かされた感じですね。

紬と想が距離を縮めているように見えるけど、想は、紬が自分といることは、紬にとって迷惑なのではないかと苦悩している様子。
しかし紬は、一緒にいたいからいるだけ、自己満足だと言います。

自己満足という言葉は、前回(第7話)で、奈々も言っていました。
想が「奈々に手話教えてもらってほんとによかったって思ってる」と言ったら、
奈々は「想くんのために教えたんじゃない。私と話してほしかっただけ。私の自己満足だよ」と。

好きな人にしてあげたことを「あなたのため」じゃなくて「自分のため」と言えるって、見返りを求めない本当の愛ですよね。紬も奈々も大人。

想は、奈々から手話を教わることは受け取れたけど、紬が手話で話してくれることや字幕上映の映画鑑賞に付き合ってもらうことは受け取れていない感じ。

あとは、紬の自己満足を想が受け取るだけ。奈々の自己満足は受け取ったじゃん。
ここからは、想が受け取る物語という気がします。
「悪いから」「迷惑をかけるから」「悲しませたくなかったから」という想が、受け取っていくことができたら…。

悪役がいない『silent』における恋愛の障壁は、想が”受け取れない”ことなのかもしれませんね。
想自身が受け取っていくことを自分に許可できれば良いんですよね~。

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