第7話「さびしい男と忙しい女」
検察と警察に失望する回
第7話 あらすじ
ざっくりとしたあらすじです。
ネタバレも含みます。
浅川恵那(長澤まさみ)は副総理大臣の大門(山路和弘)が八飛市出身であることが気になり、笹岡まゆみ(池津祥子)に大門の身辺調査を依頼する。岸本拓朗(眞栄田郷敦)は引き続き事件を追うが新たな進展がなく、このままでは松本死刑囚(片岡正二郎)を救い出すどころか、事件が風化してしまうと恐れる。そこに突然、裁判所が事件のDNA再鑑定を決定したというニュースが入る。恵那は希望を見出すが、拓朗はまったく期待していない。案の定、検察側ではDNAは検出されなかったという鑑定結果を出し、恵那は落胆する。恵那は笹岡からもらった大門の関係先リストを拓朗へ託し、多忙な自分の代わりに調べるよう依頼する。
拓朗の元に、八飛署の刑事・平川から電話が入る。平川からの誘いに乗った拓朗は、言われた通り現金50万円を渡し、事件の情報を聞き出す。平川は、松本氏は無罪だと断言。当時、警察のかなり上の方からの圧力により、八飛署は真犯人を逮捕せず、松本氏を犯人にでっち上げたと他人事のように話す。
再び、八飛の事件現場に通う拓朗は、街中に大門のポスターが貼られていることが気になる。そして、大門の幼なじみ・本城が八飛の商店街一帯の地主だと知る。さらに、以前、恵那が商店街で遭遇した男が、本城の長男であることがわかり、恵那は戦慄する。
第7話のコトバ
そのときの流れや空気で決まるんだよ。
突然、異例のDNA再鑑定を決めた裁判所。
検察が全力でつぶしにかかることが予想されるが「組織と言うのは必ずしも一枚岩ではない」と木村弁護士は言い、恵那も同意する。
だって組織っていっぱい人がいるでしょ。
そのいっぱいの人が全員まったく同じ考えなわけないじゃん。
大洋テレビにも村井さんとか君とか私みたいなのがいるように、警察や検察や裁判所にもきっと色んな人がいるんだよ。
外から見てるとわかんないけどさ。
そして物事はどっちに動いていくのか。
善か悪か、公正か不正か、どっちが選択されるのかはそのときの流れや空気で決まるんだよ。
私は信じていたいかな。
また裏切られるかもしれないけど、でもまずは信じたい。
今回の裁判長みたいにほんとは多くの人の中に良心が眠っていてチャンスを待ってるんだって。
「私は信じていたい」
これが恵那なんだね。
開けちゃいけないパンドラの箱
八飛署の刑事・平川の言葉。
警察は真犯人が誰かわかっていながら、松本氏を犯人にでっち上げたのではないか?
署内でこの話は超タブー。
開けちゃいけないパンドラの箱なんでね。
「聞かない考えない話さない」で、僕らは15年間思考停止させられてきましたから。
組織が一度でも罪を犯してるとだめなんですよね。
抜けない毒針みたいなものですよ。
時間をかけて全身に毒が回って気が付けば再起不能。
自滅への一本道ですよ。
ひどすぎる…
でも僕みたいにお気楽に生きてきた男になんて、彼女は何も打ち明けてくれない気がした。
一人で真犯人を探し始めた岸本拓朗の言葉。
昨年、犠牲になった少女の境遇は、おぼっちゃま育ちの拓朗とは対照的なものだった。
第7話 メモ
恵那の苦しみ
報道のメインキャスターに返り咲いて多忙を極める恵那。拓朗に「平和ぼけ」「甘すぎる」などと言われ、ブチ切れる。
あんたになにがわかんのよ。
私がどれだけ辛くて悲しくて苦しくて それでも何もかも我慢してやってるのか。
斎藤と別れたこともまだつらいのかな…
現実的に行動していく拓朗
松本氏の冤罪を証明するためには真犯人を見つけるしかないと行動する拓朗。
恵那が検察の良心に期待してもまったく意に介さない。
僕らここまで散々見せつけられてきたんじゃないんですか。
この社会の残酷さとか組織のろくでもなさとか。
拓朗、頑張れ。
感想:組織に希望は無いのか?
これまで様々な”組織あるある”が満載だった『エルピス』も第7話に。
岸本拓朗のまっすぐさだけが希望で、あとは失望みたいな回でした。
恵那は「組織には色んな人がいる」から良心を持った人もいるはずだと希望を捨てきれないが、拓朗は組織なんてろくでもないと、すっかり失望している。
さらに追い打ちをかけるように、警察の腐った話を平川から聞かされ、はあ…まじで腐ってんなという気分に。
腐った平川からは「パンドラの箱」というワードが出ました。
エルピスはパンドラの箱に残されたものだそう。松本氏の冤罪そのものがパンドラの箱であり、エルピスなのか?
たった一人で真犯人を探し出そうとする拓朗の真摯な行動力だけが救いでした。
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